2021-06-06
奥久慈の家|傾斜地に暮らす
久慈川の上流、大子町に住宅を計画しています。
敷地は東西方向に段々状の斜面になっていまして、かつては主屋と納屋が段に沿って建っていました。この計画では「斜面を楽しみながら暮らす家がつくりたいんです」という建主さんとの話の中から、地形に沿った階段状の家を考えました。
まずは土地の高低差を調べていく中で、三つの土地の基準高さがあることが分かってきました。「かつての納屋の建っていた高さ」、「母屋の建っていた高さ」、「建主さんが仕事道具を入れている倉庫の建つ高さ」この三つの高さがおよそ1mごとに階段状に上がっているのです。そしてその段状土地の端には、以前からあった石垣が残されています。
この三つの高さに沿って、家も三つの居場所を作ることを考えました。家族の集まる居間や台所、玄関を中間の高さに、低い段には水廻りと寝室を、高い段には子供室や在宅の仕事場を配置して、1mごとに上がっていく計画となっています。そしてその高低差に合わせた緩やかな屋根が、三つの居場所をつなげる住宅です。
さてこれから詳細の設計。楽しく斜面に暮らせるよう、しっかり設計を進めていこうと思います。