2019-11-18

益子町ランドスケープ計画/中間発表

春から調査を進めている益子町のランドスケープ計画も、そろそろまとめの時期になってきまして、先日は町民の方々への中間報告です。

自分は益子町の中でも北西側に位置する「七井地区」と「益子西地区」の担当なのですが、まちづくりを行っている方々のお話を伺うなかで、新たな風景の見方を教えて頂くことが多いです。

例えば陶芸が有名な益子町では、焼き物を登り窯で焼くために、大量の薪が必要になり、その燃料となる赤松の林がかつて広がっていたそうです。益子町の木は赤松が選ばれています。

「益子の森」に残る赤松の林

しかし赤松の樹齢が40~50年になると、松くい虫の被害が出るようになり、次第に赤松の数が減ってきまして、今ではほどんどなくなってしまいました。

そこで「ましこアカマツ復活プロジェクト」として、数年前より子供たちが赤松の植林を始めています。

ましこアカマツプロジェクトで植栽された苗木

七井地区でもかつては赤松の林がずっと続いていたよというお話を聞いて、まだ残っている赤松を探してみると、七井中学校の校庭に数十本の赤松があることがわかりました。

1947年頃の益子の里山風景
現在の山林の調査

先日そのことをプロジェクトを中心で活動されている大岡さんに話してみると、「実は今日その話をしようと思ってたんですよ~」と嬉しそうに話してくれました。

建築では「借景」という言葉がありますが、ランドスケープに携わるということは、借景となる風景そのものを考えるという逆の視点で考えさせられます。

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