2025-04-13
大塚の家|杉と真壁


「飽きない家がいいですよね」と話してくれた大塚の家のSさんご夫婦。お二人とも古民家を改修して暮らそうかと考えになった位、古民家がお好きで、無垢な素材も大切にさせています。
飽きない家とは何を大切にすればよいか、これは本当に難題で、いつも設計していて悩むことです。面白い提案だからといって、奇をてらったものですと、やっぱり住んでいて飽きてしまう。いわば毎日食べていても飽きない食事と似ているような気もしています。


Sさんとのプランニングでも、最初の頃は少し気をてらっていたプランもあったように思います。それが次第に単純になってきて、寸法も整っていきました。最後には全て一間間(1820mm)に柱が並ぶきれいなプランになっていったんです。


上棟の際にSさんと、「この家は隣のお爺さんが住んでいても違和感がないですよね」と笑い話をすることがあって、その腑に落ちる感覚はとても不思議でした。Sさんと一緒に考えて考えて辿り着いたプランなんですが、それが他の人でも暮らしをイメージできる。それはきっと、今のSさんご夫婦だけでなく、将来のSさんご夫婦でも生活が想像できるということなのかもしれないですね。そしてもしかすると、それが飽きない家を考えることなのではと、こっそり思っています。