2025-06-15

建築家・阿部勤のいえ展  -暮らしを愉しむデザイン-

先日は「阿部勤のいえ展」を見に行ってきました。

この展覧会では、なんと阿部さんの自邸である「中心のある家」の一部が原寸で再現されているんです。
いつも図集を眺めながら、この周りの2.1mの空間はどんな感じなんだろうと想像をしてたんですが、これがなんとも居心地がよい。幅が2.1mなので広くはないんですが、外と内の壁に囲まれて安心感があるんですね。

そこに阿部さんの好きなモノたちが入り、なんともいい雰囲気ですね。
Eテレでみたキッチンも再現されていて、番組でみたモノたちが並んでいる様子には感動します。

展覧会では阿部さんのスケッチも多数見られ、平面と断面の検討の様子がみることができます。
あの阿部さんの空間のおおらかさの裏に、数々の検討があることがわかります。
スケッチを見ていて面白いのは、平面と一緒に断面が常に検討されていること。
あの立体的な空間の生み出され方が少し垣間見えたような気がしました。

あるクライアントの方が「他の人と打合せをして要望すると、どんどん悪くなってっちゃう。でも阿部さんだけは要望を言えばいうほど良くなっていく」と話されていたそうです。
「住まいにとって大切なものは『らしさ』だと思っています。その『住まい手らしさ』、『その環境らしさ』を住まい手と一緒に探し出すことが設計だと思っています」
そう考えていた阿部さんだからこその素晴らしいエピソードですね。

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